福岡県済生会二日市病院

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診療科・部門

循環器内科

24時間体制ホットラインによる『CCUスタッフ常駐体制』

循環器内科では24時間体制ホットラインによる『CCUスタッフ常駐体制』を運用しています。救急搬送された心疾患患者さんが病院に到着し、初期診断から治療開始までを迅速に行っています。かかりつけ医の先生方や救急隊との緊密な連携を行い、患者さんの救命率向上のために尽力しております。

ごあいさつ

循環器内科の最大のミッションである心臓血管救急診療体制の整備と充実を達成するために大学医局のサポートを受けつつ、虚血性心臓病・心不全・高血圧・不整脈・末梢血管疾患等の診療に取り組んでいます。
部長・心臓カテーテル室長 中村 亮

トピックス

循環器内科では年間約1000人の入院患者さんがあり、緊急入院が約半数を占めています。2023年4月より高度治療室(HCU)が6床より8床へ増床され、より幅広く救急疾患や重症患者さんへの対応が可能となりました。また、従来から当院で積極的に行ってきた睡眠時無呼吸症候群の診療は専門外来を設け、新たな取り組みを開始しました。

診療体制

虚血性心臓病:急性冠症候群および安定型狭心症

急性心筋梗塞や不安定狭心症などの急性冠症候群は緊急での冠動脈造影検査(心臓カテーテル検査)による迅速な診断と治療(PCI;経皮的冠動脈形成術)を行っています。ST上昇型急性心筋梗塞では来院からカテーテル手技を始めるまでの時間Door To Balloon Time(DTBT)は90分以内を達成すべきと考えられており、当院データ(2022年)ではDTBTは71分(中央値)で達成されています。急性循環不全や心肺虚脱など重症例では大動脈バルーンパンピング(IABP)や経皮的心肺補助法(ECMO;PCPS)を速やかに導入し、救命のために最善を尽くしております。
安定型狭心症では、まず外来で非侵襲的検査による評価を行います。運動負荷試験や冠動脈CTならびに負荷心筋シンチグラムを用いたFusion imaging等での心筋虚血の評価を行ったうえで心臓カテーテル検査(冠動脈造影検査)の適応を検討しています。また、PCI治療の適応の有無は冠動脈造影での狭窄病変形態だけでなく、必要に応じて冠血流予備能の計測を行い適切に判断します。
2021年からは当院でもロータブレータ治療を開始し、従来は困難であった冠動脈の高度石灰化病変に対してもPCI治療の対応が可能となりました。

心不全診療

診断と治療

 
心不全診療においては、原因となる基礎心疾患の診断が重要で治療方針が決定されます。心電図や心エコーなどの基本的な検査に加えて、当院では心臓MRI検査による心臓形態や心筋性状の評価を積極的に行っております。特に特発性心筋症(肥大型心筋症など)や2次性心筋症(心サルコイドーシス、心アミロイドーシス、心筋炎など)の診断には心臓MRI検査は重要です。また心筋組織生検による病理診断を必要に応じて行い、治療方針を検討しています。心不全における近年の薬物治療の進歩は目覚ましく、これらのモダリティ―を駆使して患者さんごとに最適かつ最新の治療を提供いたします。

心不全地域連携

高齢化社会にともなう心不全パンデミックと心不全の再入院の増加は喫緊の社会問題であり、地域全体での心不全診療の取り組みが不可欠です。当院ではかかりつけ医の先生方との心不全患者さんの診療情報共有のために「心不全ケア連携シート」を作成いたしました。心不全入院患者さんの退院時にお渡ししており、多くの先生方や訪問看護師など多職種の方々にお役立ていただいております。また、心不全看護認定看護師や心不全療養指導士を中心とした多職種心不全診療チームで医師会や保健所、ケアマネージャーやソーシャルワーカー、介護福祉士などの福祉関連職種との連携を深めています。
筑紫野地域の基幹病院との多職種を交えた心不全連携セミナーを定期的に開催しており、研鑽を積んでおります。再入院を繰り返す心不全の患者さんに対しては心不全外来を設けて綿密な心不全診療を行っています。

高血圧診療

高血圧症の約80-90%は原因となる基礎疾患を有さない本態性高血圧で、ガイドラインに沿った生活指導や薬物治療の適応となります。一方で若年者にみられる2次性高血圧症では原因精査が必要です。近年増加傾向である原発性アルドステロン症では診断と治療方針決定のために、放射線科と共同で副腎静脈血サンプリングを行っています。その他、初期の高血圧診療においてはスマートフォンアプリケーションを使用した遠隔での高血圧診療管理も導入予定です。

不整脈診療

近年の不整脈に対するカテーテルアブレーション治療の進歩は目覚ましく、多くの患者さんに恩恵をもたらしています。当院でも常勤の不整脈専門医による不整脈専門外来を設けており、外来診療から入院治療までのシームレスな診療を行っています。
2022年より心房細動に対するクライオバルーンアブレーションも導入され、カテーテルアブレーション症例数は年間約100例以上を施行しております。
リズムマネジメントデバイスと呼ばれる恒久的ペースメーカや植込み型除細動器装置では遠隔モニタリングシステムを採用しています。患者さんが自宅に居ながらにして不整脈の発生状況やデバイス情報が専用のクラウドサーバに自動的に送られ、患者さんの病状の変化に対してすみやかに対応することが可能になりました。

末梢血管疾患

循環器疾患で受診される患者さんの多くは下肢などの末梢血管動脈硬化症を高率に合併していることが知られています。歩行時に下肢の疼痛などの症状を有する閉塞性下肢動脈硬化症では、まず外来での簡易血流測定検査(ABI)および皮膚灌流圧検査(SPP)で下肢血流評価を行います。そのうえで下肢動脈造影CT検査やカテーテルによる下肢動脈造影検査の適応を検討します。当院では血管外科医と綿密にコンサルテーションを行い、患者さんごとに血管内治療(EVT)やバイパス手術を検討のうえ治療を行っております。

教育・研修および病診連携

当科は以下の施設認定を受けています。
日本循環器学会・認定循環器専門医研修施設 ・日本心血管インターベンション治療学会・日本不整脈心電学会・不整脈専門医研修施設 ・日本高血圧学会・認定高血圧専門医研修施設
これらの分野で専門医をめざす若い人材を歓迎いたします。地域に根ざした実践的な急性期循環器医療の研鑽に当科は最適な場であると確信しています。
当院は常勤の心臓外科チームが不在ですが連携施設の心臓外科チームと綿密なコンサルテーションを行ってハートチーム体制を形成しています。
冠動脈バイパス術や弁膜症の手術、胸部大動脈瘤などの手術、ならびに重症心不全や致死性不整脈治療のためのデバイス治療(CRT,ICDなど)に関しては、当科で精査を行ったうえで連携施設の心臓外科チームにご紹介させていただいております。