診療科・部門のご紹介

臨床工学技室のご紹介

臨床工学技士とは?

1987年6月に制定された30年あまりの比較的新しい国家医療職です。

現代医療では、様々な医療機器を駆使し患者様の診療・治療を行っています。高度な医療技術の進歩に伴い、高度化・複雑化する医療機器を専門的に取扱う技術者として誕生しました。

医師・看護師や各医療技術者とチームを組んで血液透析装置や人工呼吸器・人工心肺装置などの生命維持管理装置の操作・保守・管理を行う専門医療職として、24時間365日体制で対応しています。

臨床工学室スタッフ

現在、7名の臨床工学技士が在籍しています。

様々な学会認定資格やメーカー技術認定をうけており、いつでも安心・安全な医療を提供できる様、安全性確保と有効性維持のため日々努力しています。

臨床業務

【血液浄化業務】


(1)血液維持透析
臨床業務
月・水・金曜日は昼間帯と夜間帯の2クールの透析を行っています。
火・木・土曜日は昼間帯の1クール透析を行っています。
昼間帯は、当院かかりつけの患者様への維持透析のほかに他施設からご紹介いただいた患者様の入院透析も行っています。
間歇補充型血液透析濾過(I‐HDF)を主に行っています。
臨床工学技士は、医師や看護師と連携しながら患者様のバスキュラーアクセス(VA)への穿刺や回路接続を行い、治療中のバイタルサイン確認や治療終了後の返血など一連の臨床業務を行っています。

工学業務
約40台の透析装置の安全性確保と有効性維持のため、毎朝機器の自己診断結果をチェックしています。ここで使用に問題のある装置が発見された場合には、詳しく点検を行い調整や部品交換をしています。また、メーカーの技術講習を受講し許可を得た機器に関しては、臨床工学技士にて修理や定期点検、オーバーホールを行っています。
透析に必要不可欠な透析液製造装置や供給装置も日々状態確認を行っており、透析に必要な水の水質管理も行っています。
安心・安全な透析を行えるよう機器の管理も行っています。

 

(2)急性血液浄化
血行動態が不安定な患者様の腎代替療法としての持続緩徐式血液濾過(CHDF)や菌体内毒素(エンドトキシン)の吸着を目的とした吸着療法(PMX-DHP)など幅広く行っています。
救急患者様に使用する場合が多いため、24時間体制で対応しています。

 

(3)アフェレーシスなど
血液中の活性化した白血球を取り除き炎症をすみやかに鎮め、潰瘍性大腸炎や関節リウマチの治療を目的とした白血球除去療法(LCAP)や肝硬変などによって貯まった難治性腹水(又は胸水)、癌性腹水を濾過濃縮して、アルブミンなどの必要なタンパク成分を回収する腹水濾過濃縮再静注法(CART)などを行っています。

 

【手術室業務】
当院の手術室は5室あります。外科・血管外科・呼吸器外科・脳外科・整形外科・泌尿器科・皮膚科・形成外科・循環器内科が使用しています。
手術室では、麻酔器や手術ベッド、患者監視モニターなど様々な医療機器が使用されます。臨床工学技士は、毎日手術開始前にこれらの機器が正常かつ安全に使用できるか始業前の点検をしています。また、術中RFA、自己血回収装置の操作や手術中の機器トラブルにも迅速に対応し、手術に支障がない様に努めています。

 

【高気圧酸素治療業務】
高気圧酸素治療とは、通常の気圧より高い圧力環境(2気圧:水中に10m潜った圧力とほぼ同じ)の環境下で60分程度酸素を吸入していただき、血液中にたくさんの酸素を溶かし体内の酸素濃度を上げる治療です。
一人用の高気圧酸素治療装置(1台)を用い、年間約500回の治療を行っています。
当院では腸閉塞の患者様の治療を多く行っています。

 

【カテーテル治療業務】
心筋梗塞の原因ともなる心臓を養う冠動脈が狭くなった病態にたいする経皮的冠動脈形成術(心臓カテーテル治療)に参加し、医師の補助や血管内超音波診断装置(IVUS)、大動脈内バルーンパンピング(IABP)装置の操作などを行っています。また、体を維持するだけの血液を送り出す心臓のポンプ機能が非常に弱い症例への経皮的心肺補助装置(PCPS / ECMO)にも対応しています。緊急治療も多いため、24時間365日体制で対応しています。
他にも、脚の狭くなった下肢動脈を拡げる末梢血管インターベンション(EVT)や透析治療に必要なVA(バスキュラーアクセス / シャント)が狭くなった場合の血管拡張術(VAIVT)にも参加しています。

 

【呼吸療法業務】
当院には、人工呼吸器が20台程度準備されています。これら人工呼吸器が正常に作動するかなど、日々使用前後点検や定期点検を重ねています。
患者様に使用されている最中も正常かつ安全に、そして患者様の呼吸状態により適切に使用されているかを毎日ベッドサイドで使用中点検し、改善の必要がある場合には主治医へ提案するなど、積極的に介入しています。
この他、在宅酸素療法(HOT)導入では、医師からの指示受け後に患者様に使用する機器を準備し、患者様のベッドサイドで機器取扱い説明や退院後のご自宅での管理方法説明などを行っています。

 

【医療機器管理業務】
病院内の医療機器のうち、内視鏡カメラ・臨床検査機器・放射線機器・リハビリ機器などを除く、約900台の医療機器(ME機器)を一括管理しています。専用のデータベースに一台ずつ登録を行い、購入から廃棄までの稼働状況や点検履歴、修理履歴、トラブル対応内容などを管理しています。

ペースメーカー等の遠隔管理も行っています。
機器の各種点検のほか、メーカーの技術講習を受講し承認を受けた医療機器に関しては、修理も行っています。
医療機器の側面から患者様に安全・安心な医療を提供できる様、努力しています。

 

【研修・教育業務】
新しい情報収集や自己研鑽のため、各種関連学会への参加を積極的に行っています。

臨床工学室主催の新規導入機器の取り扱い研修会をはじめとして、各部門から依頼があった場合の医療機器院内研修も年間40回程度随時行っています。
また、医療機器の取り扱いが初めての新人看護師を対象とした研修も毎年行っています。